SPRESENSE(スプレッセンス)はSONYグループの開発したIoT用ボードコンピューターです。同じくSONYグループの開発した32bit RISCマイコン「CXD5602GG」を搭載しています。そんなSPRESENSEの主な特徴を紹介します。
- マイコンならではの低消費電力により、乾電池でも動く。
(でも乾電池を電源として活用できるようなキットは用意されていない) - マイコンなのにマルチコア!並列処理も可能です。
 - GPS内蔵。
 - ハイレゾに対応したオーディオの再生、録画が可能。
 - 拡張ボードと組み合わせるとArduino互換になります。
 - がっつり組み込みソフト開発を行いたい人にはNuttXベースのSPRESENSE SDKが用意されています。
 
詳しい情報は下記をどうぞ。

SPRESENSEのハードウェア仕様
メインボード
https://developer.sony.com/ja/spresense/specifications 
メインボードの半分はマイコンの仕様です。普段4~20MHz、RAMは何KBにしようかなんて悩んでいるのとは雲泥の差の高スペックマイコンです。入門向けのボードであるがゆえに、使えるI/Oやペリフェラルモジュールが少ないこと以外は素晴らしい性能です。
| 項目 | 内容 | 
|---|---|
| 型式 | CXD5602PWBMAIN1 | 
| サイズ | 50.0 mm×20.6 mm | 
| プロセッサー | ARM Coretex-M4F×6 cores | 
| 最大駆動周波数 | 156 MHz | 
| SRAM | 1.5 MB | 
| フラッシュメモリー | 8 MB | 
| デジタル入出力 | GPIO、SPI、I2C、UART、PWM、I2S | 
| アナログ端子 | 2 ch (0.7 Vレンジ) | 
| GNSS | GPS、GLONASS、BeiDou、Galileo、QZSS、SBAS | 
| カメラ入力 | 専用パラレルインターフェース | 
拡張ボード
https://developer.sony.com/ja/spresense/specifications 
メインボードを子亀のように差し込んで使う拡張ボードです。こちらはArduino互換のピン配置となっています。またピン配置が互換なだけでなく、Arduino IDEを使用した開発も可能です。
| 項目 | 内容 | 
|---|---|
| 型式 | CXD5602PWBEXT1 | 
| サイズ | 68.6 mm×53.3 mm | 
| オーディオ入出力 | 4ch アナログマイク入力 or 8ch デジタルマイク入力、ヘッドホンジャック | 
| デジタル入出力 | 3.3 Vと5 Vを選択可能 | 
| アナログ入力 | 6 ch (5.0 Vレンジ) | 
| 外部メモリーインターフェース | microSDカードスロット | 
LTE拡張ボード1(アンテナ内蔵モデル)
https://developer.sony.com/ja/spresense/specifications 
拡張ボードその2です。LTE-M通信網を使用して、メールを送信したり、クラウドへデータをアップロードできます。なお本モデルはアンテナ内蔵ですが、2024年6月には、次に示すアンテナ外付けモデルが発売されています。こちらのモデルの購入はお勧めしません。
| 項目 | 内容 | 
|---|---|
| 型式 | CXD5602PWBLM1 | 
| サイズ | 45 mm×50 mm | 
| 搭載モジュール | LBAD0XX1SC | 
| SIMカード | nanoSIM | 
| RAT | LTE Cat-M1 | 
| 対応バンド | 1、8、18、19 | 
| アンテナ | オンボードアンテナ搭載 | 
| オーディオ入出力 | 2chアナログマイク入力 or 4chデジタルマイク入力、ヘッドホンジャック | 
| デジタル入出力 | 3.3 Vと5 Vを選択可能 | 
| アナログ入力 | 2 ch (5.0 Vレンジ) | 
| 外部メモリーインターフェース | microSDカードスロット | 
LTE拡張ボード2(外付けアンテナモデル)
https://developer.sony.com/ja/spresense/specifications 
拡張ボードその3です。LTEアンテナ内蔵はやはり受信感度が悪いようです。またUARTとI2Cの端子が追加されているなど、マイナーバージョンアップも行われています。
| 項目 | 内容 | 
|---|---|
| 型式 | CXD5602PWBLM2 | 
| サイズ | 45 mm×50 mm | 
| 搭載モジュール | LBAD0XX1SC | 
| SIMカード | nanoSIM | 
| RAT | LTE Cat-M1 | 
| 対応バンド | 1、8、18、19 | 
| アンテナ | U.FL端子搭載 | 
| オーディオ入出力 | 2chアナログマイク入力 or 4chデジタルマイク入力、ヘッドホンジャック | 
| デジタル入出力 | 3.3 Vと5 Vを選択可能 | 
| アナログ入力 | 2 ch (5.0 Vレンジ) | 
| 外部メモリーインターフェース | microSDカードスロット | 
カメラボード1
カメラボードには2024年7月現在2モデルあり、こちらは安価モデルとなります。
| 項目 | 内容 | 
|---|---|
| 型式 | CXD5602PWBCAM1 | 
| サイズ | 24.0 mm×25.0 mm | 
| 画素数 | 2608×1960 = 5.11Mピクセル | 
| 駆動電圧 | DC 3.7 V | 
| IO電圧 | DC 1.8 V | 
| カメラインターフェース | CMOS 8 bit parallel | 
| 出力フォーマット | Y/C, RGB and JPEG | 
| 制御インターフェース | I2C | 
| フィルター | IR cut filter | 
| FOV(視野) | 78°±3° | 
| 被写界深度 | 77.5 cm ~ ∞ | 
| F値 | 2.0±5 % | 
| 焦点 | 固定焦点 | 
| その他 | ダイナミックレンジ60dB | 
カメラボード2(HDR)
2022年4月に発売となった高機能モデルのカメラボードです。一番の特徴はHDR対応で、逆光や明暗差の大きい環境でもクリアーな撮影が可能となっています。
| 項目 | 内容 | 
|---|---|
| 型式 | CXD5602PWBCAM2W | 
| サイズ | 28.0 mm×28.0 mm | 
| 画素数 | 1280×960 = 1.23Mピクセル | 
| 駆動電圧 | DC 3.7 V | 
| IO電圧 | DC 1.8 V | 
| カメラインターフェース | CMOS 8 bit parallel | 
| 出力フォーマット | Y/C, RGB and JPEG | 
| 制御インターフェース | I2C | 
| フィルター | IR cut filter | 
| FOV(視野) | 52.4°±5° | 
| F値 | 2.0 | 
| 焦点距離 | 5.1 mm | 
| レンズ径 | M8 P0.35 | 
| その他機能 | High Dynamic Range (120dB)、レンズ交換可能、低照度撮影、接写機能 | 
購入品
今回私が購入したのはチップワンストップの「SPRESENSE EdgeAI PoC Kit WB」で、下記4点がセットになっいます。
- メインボード:CXD5602PWBMAIN1
 - 拡張ボード:CXD5602PWBEXT1
 - カメラボード:CXD5602PWBCAM1
 - APSマルチコア学習ボード(2.2インチTFT LCD、ボタン×2、LED×2、マイク×1)
 
上のリンクはamazonですが、KSYやSWITCH SCIENCEの方がお安く買える可能性があるので、比較してからの購入をお勧めします。チップワンストップも良いのですが、コチラはちょっと登録が面倒なので頑張れる人はどうぞ。
そんな「SPRESENSE EdgeAI PoC Kit WB」は下図のものになります。手のひらサイズ。はんだ付けは一切不要。カメラが取って付けた感じになってしまうこと以外は素晴らしい仕上がりです。


なおキットは基板のみで、スペーサーやネジなどは付属していません。基板に足を付けたいのとLCDやカメラを固定するために、amazonでM2とM3の樹脂スペーサーを購入して取り付けています。上図の黑い六角スペーサーなどがそれです。これがないと特にLCDがグラグラして不安になるので、何かしらで固定することを推奨します。
ボードの写真
軽く各種ボードの写真を載せておきます。











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