フラッシュメモリー | 組み込み

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フラッシュメモリーとは

フラッシュメモリーは、電気的にデータの消去と書き込みができる不揮発性半導体メモリーです。電源を切ってもデータが消えないため、機器の制御プログラムや設定データ、ログなどの保存に適しています。
内部は「フローティングゲート(浮遊ゲート)」または「チャージトラップ(電荷捕獲層)」と呼ばれる構造を持ち、そこに電子を蓄えるか(データ「0」)、電子を放出するか(データ「1」)によってデータを記憶します。その特徴は「データの消去をブロックというまとまった単位で行う」という点です。この一括消去の動作がカメラのフラッシュ(ストロボ)を連想させることから、フラッシュメモリーと名付けられました。

NOR型とNAND型

フラッシュメモリーにはNOR型とNAND型があります。開発された順としてはNOR型が先でNAND型が後です。回路構成がデジタル回路のNORやNANDに似ていることから名付けられました。
なおNOR型という呼び方は最初からあったわけではありません。NOR型の構成はDRAMやSRAMで用いられてきたもので、それまでの「普通」です。後から開発したNAND型に対して、NOR型と呼ばれるようになりました。

NOR型の特徴(NAND型と比較して)

  1. すべてのセルがビット線とGNDに繋がる構成から、集積度が落ち小型化が難しい構造です。
  2. 読み出し速度やランダムアクセス(任意のアドレスへの直接アクセス)を高速に行えます。
  3. 書き込みや消去は遅いです。
  4. XIP(eXecute In Place)に対応し、RAMに展開することなくフラッシュメモリー上のプログラムをCPUが直接実行できます
  5. 保持したデータが壊れにくいという、信頼性の高さが最も重要な特徴です。
NOR型のセル構成

NAND型の特徴(NOR型と比較して)

  1. 複数ビットでビット線とGNDが共用であるため集積度が高く、小型で大容量化しやすい構造です。
  2. 読み出し速度やランダムアクセスは苦手(遅い)です。
  3. 書き込みや消去を高速で行えます。
  4. 製作された時点で、一定割合のバッドブロック(書き込み不良)の領域があります。また使用している最中にバッドブロックは増えていきます。このためバッドブロック管理(BBM:Bad Block Management)が必須です。
  5. 保持したデータが自然に壊れていくというデメリットもあります。長期保存は厳禁です。またこの特性のためECC(誤り訂正符号:Error Correction Codeまたはエラー検出・訂正:Error Checking and Correcting)が必須となります。
  6. このようにデメリットも多いですが、NOR型が微細化の限界に達しようとしていることもあり、現在の主流はNAND型となっています。
NAND型のセル構成

NOR型とNAND型の比較

スクロールできます
NOR型NAND型
接続方式並列接続直列接続
ランダムアクセス高速低速
書き込み/消去低速高速
XIP対応可能負荷(RAMへの展開が必要)
集積度(容量)小容量(~数Gbit)大容量
ビット単価高い安い

SLC、MLC、TLC、QLC

NAND型はセルの集積度が高く、NOR型に比べて小型で大容量化に向いています。しかしそれでも1セルに1ビットでは大容量化には限界があります。そこで1セルあたりに記録できるビット数を増やす仕組みが考案されました。フローティングゲートに入れる電子の数を制御することで、1セルに複数のビット情報格納することに成功したのです。これが下表のMLCやTLCになります。

スクロールできます
種類記録ビット数/セルしきい電圧
SLC(Single Level Cell)1ビット2段階(消去が1つ、書き込みが1つ)
MLC(Multi Level Cell)2ビット4段階(消去が1つ、書き込みが3つ)
TLC(Triple Level Cell)3ビット8段階(消去が1つ、書き込みが7つ)
QLC(Quad Level Cell)4ビット16段階(消去が1つ、書き込みが15)

3D NAND

NAND型は平面上でセルを細かくする、微細化によって容量を増やしてきました。しかしセルの微細化によって隣り合うセル同士の電子的干渉(リーク電流など)が発生し、物理的な限界を迎えています。
そこで登場したのが3D NAND技術です。平面方向が限界なら縦に積めば良い、超高層化の時代です。

メリット
  • 平面的な面積を増やすことなく、劇的に容量を増やせます。
  • 無理な微細化を行う必要がなくなることでセル同士の干渉が減少、結果、データの保持力や書き換え寿命が向上します。
  • リーク電流の減少、駆動電圧の低下などにより消費電力が低下します。
デメリット
  • 製作難易度が非常に高く、高い技術力が求められます。

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